「伝える力」が欲しいの!教えて池上さん

「週刊こどもニュース」の池上さんの著書「伝える力」。
といってもNHKは見ないので、最近の「そうだったのか!池上彰の学べるニュース」で池上さんを認識した人間です。テレビを番組単位で見ない私も、さすがにこの「学べるニュース」は楽しみにしている番組。この本は、「難しいことをいかにわかりやすく伝えるか」について池上氏自身が経験し、努力してきたことを具体的に綴っています。本当に「さすが池上さんだな〜」と感心するばかりで、斬新なことは何一つないけれども、完結でわかりやすいのでスっと入ってくる。まさにそれが「伝える力」なんですね。


「難しいことをいかにわかりやすく伝えるか」。伝えたい物事を深く理解していないと、説明できないし、伝わらない。自分がいかに物事を知らないかという事実を受け入れて、他者の意見を聞く。じゃないと、独りよがりの文章になるよ、と。そして何かを勉強する時は、これを人に伝えるにはどうしたらいいかという視点も持つこと。

話す時は、カタカナ語、専門用語、業界用語は、互いに伝わる場合のみ。時と場合で使い分けないと、相手は煙に巻かれたような不快感が残る場合もある。漢字表現や四文字熟語も、口頭だと漢字が思い浮かばないのでほどほどに。「利便性」「生産性」「機能的」といった表現も、実は曖昧。それらのもつ意味を改めて考えて説明できるようにしておく。

原稿を書くときは、文章の論理が続いていれば、「そして」「それから」を使わなくてもスムーズな文章になる。接続詞がなくても論旨が通るように努力を続けること。優れた文章を書き写したり、要約したり補足してみることで、説得力、論理展開、わかりやすさ、文章のリズムなど身につける。

などなど。

なぜわかりにくいのか、それをどうすればいいのか、といった方法がとても具体的に書かれていました。
「伝える力」とは、「話す」「書く」能力を磨くこと。
その大元は謙虚に「聞く」姿勢。
そして何事も努力なんですね。